待合室123号より

継続は力なり

 

■(医)啓友会高槻の職員の皆さま、京都介護老人保健施設の職員の皆さま、囲む会ヘリオフレンドの皆さま、ヘリオのフレンダーの皆さま 囲む会のヘルパーの皆さま そして利用者様患者の皆さま 地域の皆さま(医)啓友会25周年迎えさせてもらったことありがとうございます。 皆様との出会い、ふれあい、協働とたくさんの思い出があり、苦いこと、悔しいこと、楽しいこと、笑ったこと走馬灯のごとく頭を中を巡り、ほろ苦さを含めて懐かしく感じています。私の人生にこんなに多くのプレゼントくださったこと何よりも感謝したいと思います。

 

■この25年様々なことがありました。どれも貴重な思い出であり教訓とおもい、改めて御礼申し上げます。20年前座右の銘を聞かれた時私はこたえることできませんでしたが、今私に問われたら、私の座右の銘は「継続は力なり」と答えたいと思っています。そして継続性の困難を感じる今これまで以上に(医)啓友会のこの25年間の外来診療、訪問在宅医療、有床診療所にしてからの入院ショートでの医療、囲む会ヘリオの方々との協働、ふれあい地域活動の継続を強く願います。その正しさと楽しさの継続を切望しています。

 

■もうひとつ私が大事にしている言葉に 「実践の中に真理あり」というのがあります。私は開業と同時に出かける訪問診療(当時は往診と言っていた)を行いました。当時救急医療が充実していく過程で、往診は少なくなっていました。3時間待ちの3分診療といわれ、医者は待っていても患者さんは来る時代で、何かあれば救急車で病院へ行く時代になっていました。往診医療で何をするかは模索状態でした。看護師と医師だけの救急往診はもう古くなっていました。対象者は急性期でなく慢性期で障害や疾病があり、外来通院ができにくくなった患者さんの住みたい我が家での生活が継続できるようにリハビリや清潔保清の入浴、食べられなくなった方の食事、嚥下困難になった方の食事などADL自立支援に必要な医療提供する場で、看護師、リハ、薬剤師、栄養士などチームで行う在宅医療と変化していました。

 

■私は介護保険ができる前から、介護福祉士さんを雇い、掃除機片手の訪問を実現していました。癌の終末期の方や難病の方の呼吸器管理なども含め、むしろ重度の人こそ家で療養される方が多くなってきています。在宅は重度、軽度かかわらず全ての人が対象です。多くの患者さんと出会い、その実践の中からなにをなすべきかを見つけて実践してきました。「実践の中に真理あり」とまさに体で感じながら作ってきた在宅医療でありました。多分これからも変わらず、地域の中で足を地につけ、生活に密着して在宅療養の姿がつくられてくるのだろうと思います。その中に直らない病気の治療とは、患者2人3脚でつくる療養しながらの生活の中に真理があると思います。出会わないと分かりません。であったからこそ真実が見えてくるのだと思います。

 

■この地域も随分変わってきています。反対運動のあったパチンコ店もでき、今はお年寄りの心身活性化の場になっているとも聞きます。お金は出て行きますが。建て替えられた家も多くみられ、家の形も窓の小さい新しい形に変わってきています。無縁社会を反映してか、独居高齢者世帯が増えると同時に、亡くなられるとそのまま草が生え、ひっそりとした家も増えています。おばあさんが亡くなられ、即追っかけるようにおじいさんが亡くなられ、急に空き家になった家もあり、かつては地域がとても賑やかだったのに寂しくなりましたとしみじみ言われる方もいます。ニュ―タウンがまさにオールドタウンになった現象です。地域は変化しています。家族構成も変化しています。在宅医療はそうした地域の変化を共に受けながら、私たちも家族のあり方、診療所のメンバーなど変わる中、それに応じて七変化しながら地域医療を提供していくことになるのだと感じています。そしてそれが継続できればいいなと願っています。